皆さんは手芸はお好きですか?
私は手芸は不得意で、むしろ手を出さないように気をつけています。
悲しい思いをすることは分かっているのですから…。
だから私はもっぱらオーダー。
インドでは手作り品のオーダーが気軽にできます。
初期のブログで洋服について書きましたが、今回はそれ以外について。
【テーブルクロス】
フランス人の友人がビジネスを始めました。
インドで作ったテーブルクロスをフランスで売るのだそうです。
「マーケットに生地を買いに行くから来ない?」と誘われ、何気なくついて行ったところ、とても素敵な柄!
思わずオーダーしてしまいました。
爽やかなレモン柄に青のアクセントか効いていて、まるで地中海のレストランにいるよう。
もし私が生地を買いに行ったとしてもこの柄は選べないし、青との組み合わせは思いつきません。
センスの違いを見せつけられました。
【バッグ】
プラスチックの紐を手で編んで作るバッグです。
現地の方はマーケットで野菜を買って持ち運ぶ時に使うようです。
日本でも昔は、母親がカゴをぶら下げて八百屋さんに行ってましたよね。
丈夫で長持ちし、自立するのでとても便利。
パソコンを入れたり、水筒やお弁当をいれてピクニックに行ったり、子供のスイミングバッグとしても使えます。
日本人ママの中には、このバッグを編む達人になり、日本に帰って教室を開く方もいるんですよ。
お店で売っているバッグは、ほとんどが貧しい女性が作ったもので、購入することが社会貢献にもなります。
ただ経営者の儲けを引いたあと、作り手にいくら入るのか分かりません。
だから私はいつも、障害者施設に直接オーダーに行きます。
一階が居住空間で、二階が作業場。
手足が不自由だったり、精神障害のあったりする方が、床に座って編んでいます。
【ジュエリー】
インドは宝石が安いことで有名です。
以前、有名な星占いの方に鑑定をしてもらったことがあり、守護石がイエローサファイアだと言われ、どうしても欲しくなりました。
ただ宝石の中でも特にサファイアは高いのです。
ジュエリーショップに行き「1番安い石を出してください!」とお願いしたら、透明度の低いスモーキーな黄色い石がたくさん出てきました。
その中から1つ選んでネックレスに加工してもらいます。
出来上がったのはこちら。
お値段は3000円もしないので、気軽につけられます。
私はインドで手作り品のオーダーを楽しんでいます。
しかしそれは、現地の方の労働の上に成り立っています。
自戒を込めて、ただ「素敵なものを安く手に入れた!」と喜ぶだけでなく、その手作業に対する尊敬を忘れてはいけないと思うのです。
インド独立の父であるガンディーは有名ですよね。
では、なぜガンディーはいつも素朴な白い布の服を着ていたのか、ご存じですか?
インドは良質な綿花が栽培できることで有名です。
しかし1920年代当時、イギリスの工業から生まれた安価な綿製品に押され、国内の繊維産業は衰退していました。
自国で綿も布も作れるのに、イギリスから購入しなければ、服を着ることができなかったのです。
これは一種の支配構造ですね。
それに対してガンディーは、「スワデシ」という名前の国産品愛用運動を展開しました。
糸車で糸を紡ぎ、手織りで布を織り、自国の産業を取り戻そうとしたのです。
ガンディーが着ている白い布は、手紬ぎ・手織の布「カディ」なのです。
100年後の未来に生きる私たちはどうでしょうか。
日本では今お米の値段の高騰が話題になっていますよね。
政府は長年の減反政策により、国策として米の生産量を減らし続けてきました。
国内は深刻な米不足で値段が高騰し、輸入を増やす検討に入っているとか。
「自国産業を衰退させ外国からの輸入に頼る」、まるで1920年代のインドのようです。
ガンディーの思想にならって、国内の産業を大事にしたいと思いました。